私も猫を飼っているのですが、動物と暮らすことは本当に楽しいです。
一緒に暮らすまでは、犬・猫としか見ていなかったですが、近くにいると彼ら彼女らが大変に感情豊かで愛情深い生き物なのか感じることができます。
ただ、フラッと立ち寄ったペットショップで見かけて勢いでお迎えは厳禁。
動物たちを生涯幸せにしてあげられる環境か、特にお金の面は一度立ち止まって考えてみましょう。
なにとぞ~
生涯飼育費用は500万!?犬猫と暮らすお金~飼育費用編~
アニコム損害保険株式会社さんが2022年にとられたペットにかけた年間支出額の調査ではわんちゃんが¥357,353、猫ちゃんが¥160,766でした。
大きな割合を占めるのはペットフードと医療費です。
一般社団法人 ペットフード協会の調査では平均寿命は2021年でわんちゃんが14.65歳、猫ちゃんが15.66歳です。
上記から本当にざっくりとした計算になりますが、生涯の飼育費用はわんちゃん500万程、猫ちゃん250万ほどと推測されました。
犬 ¥357,353×14.65歳≒¥5,235,221
猫 ¥160,766×15.66歳≒¥2,517,595
尚、同ペットフード協会様の調査では生涯飼育費用はわんちゃん250万円、猫ちゃん150万円程度となっています。
アニコムさんの調査ではアニコム損保の契約者のみが対象の為、動物病院にかかる費用の分上がっているのではと推察されます。
医療費を想定しておくとアニコムさんのデータを参考にする方が安心かと思います。
また、併せてペット保険未加入だともっと平均費用があがる可能性があるという事もご注意ください。
さて、生涯飼育費用がある程度予想できました。
理想はこの飼育費用が今現在余裕としてあれば安心ですね。
とはいえ、中々このご時世500万をポンと出せる方は少ないでしょう。
となると、年間約36万、月3万の余裕があればとりあえずは大丈夫、ということになりますでしょうか。
犬 ¥357,353÷12ヶ月≒¥29,779
猫 ¥160,766÷12ヶ月≒¥13,397
しかしながら、これまで参考にしてきた数値はあくまで平均値であって、確実にこの費用の中に収まる保証はありません。
病気やケガのリスクも考えるともう少し安心が欲しいところです。
生活費も変わるよ。犬猫と暮らすお金~生活費編~
大事なことを忘れてはいけません。
ペットと暮らすことで生活費も上昇する部分があります。
電気代
一番大きなものは電気代です。
実は上記のアニコムさんの数値には含まれてますが、ペットと暮らすと必ず必要なのが「温度管理」。
動物達は人間と違い自分で温度調節できないので夏場冬場は外出中であってもエアコン等でコントロールしておく必要があります。
電気代が比較的安い関西でよかった。
住宅費
賃貸でお住まいの方は家賃も変わる可能性があります。
まず、大前提としてお迎えされる際はペット可物件だと思いますが、ペット可にすると物件的には普通に人だけが住む場合よりダメージを負うこともしばしば。
なので、敷金礼金が高かったり、そもそも家賃相場よりも割高な場合も。
ペット不可の物件で内緒で飼うという手段をとられる方もいますが、普通に考えて住民や管理人に隠し通すのは不可能ですし、最悪の場合契約違反として強制退去、損害賠償の可能性もありますから絶対にやめましょう。
家財
また、上記に付随して家具なんかも傷みやすくなります。
猫ちゃんで想像するとわかりやすいですがソファーでガリガリしたら当然傷みますよね。
ある程度許容できるかとは思いますが、少し買い替えの頻度があがるかもしれません。
機密性の高いマンションなどだと消臭にも心がけた方が良いので微妙にそのあたりも家計を圧迫する可能性があります。
わんちゃん猫ちゃんが快適に暮らすためには環境を整えてあげることが非常に大事です。
飼育費用とも関連しますが、例えばフローリングだとわんちゃん猫ちゃんは滑りがち。
あまり脚にもよくないですから、絨毯を引いてあげるなどの対策が重要です。
義務もある。犬猫と暮らすお金~法律編~
わんちゃん猫ちゃんの義務について。
かかる費用も大きくはないですが把握しておきましょう。
尚わんちゃんと暮らすにあたって罰則付きの義務がいくつかあります。
法的義務(罰則あり)
項目 | 頻度 | 価格 |
---|---|---|
狂犬病予防接種+注射済票の発行 | 毎年 | ¥3,000程度(諸々込みで) |
わんちゃんの登録+鑑札の発行 | 一回きり | ¥3,000 |
尚、狂犬病予防法の特例制度に参加している市区町村ではマイクロチップが鑑札の代わりになるため、鑑札の発行手続き(3,000円)は不要です。
お住まいの自治体のホームページ等確認してみてください。環境省も公開しています。(2024年7月1日現在の一覧※環境省のページが開きます。)
また、転居や飼い主様が変更になる場合は登録の変更手続きが必要です。
法的義務(罰則なし)
項目 | 頻度 | 価格 |
---|---|---|
マイクロチップの登録 | 一回きり(変動の都度) | オンライン手続き¥300 書面手続き¥1,000 |
罰則はないですが行わない場合狂犬病の手続きができないので結局必要です。
こちらも転居や飼い主様が変更になる場合は登録の変更手続きが必要です。
努力義務
項目 | 頻度 | 価格 |
---|---|---|
マイクロチップの装着 | 一回きり | ¥5,000くらい (病院による) |
保護団体からの譲渡などの場合基本マイクロチップ未装着です。
これは努力義務ですが、装着した場合の登録は義務です。
災害時等の事を考えると、マイクロチップ+迷子札は必須と思われます。
結局いくらあればよいのか
ここまで色々と書いておいて申し訳ありませんが、正確にいくらあれば安心というものはありません。
飼育費用の所で出てきた3万円を最低ラインに、安心できるラインを考えていただければと思います。
多頭飼育の場合、単純に倍々になっていきますので特にご注意。
尚、動物愛護法では飼い主に対し動物の終生飼養の義務についての項目を設けています。
それでなくとも命を預かる訳ですから、道徳的にも責任重大ですよね。
是非、お迎えの前にしっかりとお財布事情を考えてみてほしいと思います。
支出を抑えることはできるのか?
工夫次第で支出を抑えることは可能です。
アニコムさんの調査では犬では4割、猫では5割がフードと医療費ですので、ここをメインに抑えていくことが効果的。
例えばペット保険を活用すると医療費を抑えることができます。
予防医療には原則使えませんが、うまく活用できれば想定していない費用をグッと抑えることができます。
また、フードも健康にダイレクトに影響してくる部分ですから選んだ方が良いですが、品質だけではなくコストも優れたものを見つけることが大事です。
フードも保険も、信頼できる専門家へ相談してみるのもおすすめです。
最後に
私はFPですが、動物病院業界にかれこれ5年ほど携わっております。
動物病院業界に入って思ったことは、獣医師って動物の専門家だなぁという当たり前のお話です。
実をいうとこの記事を書くにあたっても獣医師さんのアドバイスを受けたりしました。
動物病院というと病気やケガの時に行く場所、というイメージが強いですがやっぱり病気以外のこともめっちゃ詳しいです。飼いはじめの飼い方相談などに活用されるのも良いかもしれません。
そもそも、日常的な健康管理も兼ね定期的に動物病院に通うことで病気の早期発見など、大きな負担である医療費削減にもつながる可能性も高いです。
これを読まれた方が動物さんたちと良いご縁を繋ぎ、長く幸せな生活を送られることを祈っております。
コメント