「犬のフィラリア症」という言葉を聞いたことはありますか?
実際、この病気にかかるとどうなってしまうのか?
また、どれだけ恐ろしい病気なのか?
まず、予防の前に、「犬のフィラリア症」について、確実なことを理解していきましょう。
フィラリア症って?
犬糸状虫(フィラリア)と呼ばれる白く細長い、そうめん様の寄生虫の成虫が
心臓や肺動脈に寄生することによって、引き起こされる病気を「フィラリア症」と言われます。
感染経路に関しては、フィラリアの子虫が、蚊の媒介(吸血)で犬に体内に侵入(感染)します。
そして、その子虫は皮下や筋肉の中で成長して、最終的に心臓や肺動脈に移行し成虫になります。
フィラリア症の病状の特徴としては、心臓内に寄生したフィラリアの成虫は、何年も生き続けるため、軽快することなく、確実に進行していくことです。
【フィラリア症の主な症状】
数十cmの犬糸状虫(フィラリア成虫)が心臓や肺動脈の空間に、
屈曲し絡み合って寄生することによって、様々な症状が発現します。
・咳(軽度~重度・慢性化)
・運動不耐(運動、散歩を嫌がる、すぐに疲れる)
・食欲元気が不振~消失
・毛艶が悪くなる
心臓や肺動脈にフィラリアが多く寄生すればするほど、症状は重篤化します。
特に大静脈症候群に陥ると、緊急処置をしないと命を落としてしまう可能性が非常に高くなります。
・肺水腫(肺に液体が溜まっている状態で呼吸が苦しい)
・腹水(液体が腹腔内に溜まって腹部が膨らみ呼吸が苦しい)
・喀血(肺からの血を吐く)
・赤色尿(致命的な大静脈症候群によって引き起される)
・呼吸困難(咳、肺水腫、腹水などによる)
・失神(興奮や運動後に起きやすい)
・心臓、腎臓、肝臓、肺などの多臓器不全
重篤化した場合、何もせず放置すると、病態は進行していきます。
その結果、
立てず動けず、食欲元気ゼロ、腹水で腹はパンパン、循環不全で手足は浮腫み、
肺水腫であえぎ呼吸、最終的に苦しんで亡くなることがほとんどです。
【フィラリア症の予防】
幸いにも、フィラリア症には、予防法が確立されています。
確実な予防をすれば、フィラリア症になる可能性は、限りなくゼロに近づけることができます。
予防には、フィラリア予防薬の投与が必要となります。
確実な予防をするにあったては、
フィラリア予防薬を、蚊が飛んでいるシーズン中、毎月1回投与することが必須条件になります。
(年一回で済む注射なんかもあったりしますが)
「室内飼いだから蚊にさされないし平気!」というお話もたまに耳にしますが、一年間家で蚊を見たことがない年って実際ありますか?
残念ながら、我が家ではないです…(我が家の問題ではないと信じたい)
では、蚊が飛んでいるシーズンとはいつなのか。
もちろん、シンプルに「夏」という訳ではありません。
次の記事では、そのあたりを詳しく説明していきたいと思います。
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