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ひろせ動物病院コラム

採尿にチャレンジ!尿検査で泌尿器疾患の予防・早期発見を!

猫ちゃんの泌尿器疾患は、ペット保険の統計でも全体の13.1%を占め、2番目に多い疾患とされています。 泌尿器疾患の多くは、尿検査や超音波検査で診断されます。特に尿検査は、比較的簡単に行えて、猫ちゃんに負担がかかりにくい(来院しなくても出来る)検査です。採尿が出来ないから…と諦めず、ぜひチャレンジしてみましょう!トイレのパターンに合わせて、いくつかの採尿方法をご提案していきます。

システムトイレでの採尿

最近はシステムトイレの流通も増え、使用されている方も多いのではないでしょうか。
このトイレの最大の利点は、尿の色や量の観察が行いやすいところです。
システムトイレは、基本的にすのこ状になっているため、下に落ちた尿を集めれば、簡単に採尿できます。
普段は吸収性のシートを敷くことが多いため、このシートを外してもらうか、シートを裏返して尿を集めてください。採尿前にトレーを洗い、すのこの上の猫砂を新しくしておくと、尿への雑菌の混入が少なく検査が行えます。

猫砂のトイレ

固まるタイプの猫砂を使用しているときは、「砂を減らす方法」「砂の上に置く方法」「砂を変える方法」があります。

●猫砂を減らす方法

猫砂を出来るだけ減らし、吸収されなかったところを採尿してもらう方法です。採尿前にはトイレトレーを洗い、砂を新しくしてチャレンジしてください。猫砂が混入すると混濁して、上手く成分が測定できない可能性があるため、何度が採尿をお願いする場合があります。

●砂の上に置く方法

いつもの猫砂の上に、スポンジやコットンを細かく切ったものなど、尿を吸ってくれるものをばら撒いておきます。ペットシーツなどは吸った尿をゲル状にしてしまうため、使用できません。尿を液体で採取できる材質のものをばら撒いてください。猫ちゃんが排尿したときに、ばら撒いたコットンなどに上手く当たれば、後からそれを回収してください。尿量は液体で1.0ml程度は欲しいため、回収分が足りなければ再チャレンジになります。

●砂を変える方法

猫砂は基本的に水分を固めますが、固まらないタイプの砂に変更してしまうという方法です。上記のシステムトイレ用の砂でもいいですし、手芸用のビーズや水槽用の砂利でも構いません。出来るだけ清潔な状態のものを使用してください。吸収性のない砂なら、尿がかかっても固まらないため、猫ちゃんがトイレから出た後に採尿してください。
ビーズ等の粒状のものなら何でも構いませんが、中には色素が溶出してしまうものもあります。尿に本来ではない色が付く場合には、再度お持ちいただく必要があります。また、猫ちゃんの中には砂が変わったトイレを使いたくないという子もいます。半日以上我慢してしまうようなら、別の方法を試しましょう。

マナーウェアを利用する場合

ワンちゃんはこの方法が有効ですが、猫ちゃんはウェアを付けないので、嫌がる子が多いかと思います。もしも普段からウェアを利用する習慣があるようなら、ウェアとお尻の間にコットンを挟んでおくと、簡単に採尿できます。

直接採尿する場合

猫ちゃんの排尿中、近づいても大丈夫なら、直接の採尿も可能です。差し込むものは、ウロキャッチャーと言われる採尿用の棒があります。人によっては、オタマやスプーン、紙コップがやりやすい人もいます。また、ウロキャッチャーの代用として、割りばしにコットンを挟んで使用してもらっても大丈夫です。
排尿し始めに人間が近寄ってしまうと、途中でトイレからでてしまう猫ちゃんもいます。排尿の中盤くらいにチャレンジする方が良いです。

尿の保存方法について

可能な限り早いタイミング(4時間以内)でご持参ください。動物病院の診察日で、飼い主様がお休みの日の朝に、採尿にチャレンジすることをお勧めします。直射日光の当たらない常温でご持参ください(4時間以内の検体では、冷蔵保存する必要はありません)。時間の経過とともに、正確な検査が出来なくなります。半日以上経過した場合は、参考値としてお伝えさせていただきます。

気をつけたいこと

採尿に気をとられるあまり、猫ちゃんについて回ったり、無理やりトイレに閉じ込めたり、トイレしている所を凝視したり…してしまうことがあります。自分に置き換えると、少し怖いですよね。猫ちゃんも、いつもと違う様子に戸惑います。また、トイレに対して嫌なイメージを持ってしまうと、排尿を我慢したり、トイレではない場所で排泄したりといった、トラブルに発展することもあります。
泌尿器疾患の早期発見、診断、治療に尿検査はとても有用です。しかし、採尿が猫ちゃんのストレスとなってしまうと、尿検査のメリットが失われてしまいます。出来るだけ自然に排泄できるよう、配慮してあげましょう。

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