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ひろせ動物病院コラム

知ってほしい!猫ちゃんの口の病気【獣医師監修】

犬と猫では人間と一緒に暮らすようになった成り立ちや、生息地、食べるものが違うので、口の中にも少し違いがあります。もちろん、歯周病デンタルケアに関することは前述した内容と同じです。ここでは、猫ちゃんに多い口の病気や特徴的なところ、気づいてほしいサインなどをご紹介します。

歯の数はワンちゃんに比べて少ない 

ワンちゃんの永久歯は、すべて生えそろった状態で42本です。猫ちゃんの永久歯は全部で30本。ずいぶんと少ないように感じますが、ワンちゃんの歯は哺乳類の中でも、かなり多い方です。ただし、トラブルで抜歯すると残る歯が少ないなと感じやすいのも猫ちゃんです。二度と生えてこない歯です。大切にしたいですね。

頻繁にグルーミングする

猫ちゃんの歯は、ザラザラしていますよね。実際になぜそうなっているのかは不明ですが、ワンちゃんより丁寧に頻繁にグルーミングします。そのため、口のトラブルも体の表面から観察されやすくなります。
・毛束ができる
・あくびをしなくなった
・口周りが汚れている、涎が多い、口を触るのを嫌がる
・食事最中に、急に食べるのを止める・手で口を搔きむしる・鳴く
これらは口のトラブルサインです。毛束は脱水や栄養不良、肥満によるグルーミング不足でもできますが、それ以外の行動は、「口が痛い」サインです。
少しの違和感は気づかれないことが多いため、上記のような行動が明瞭に観察されるときは「かなりの不快感」と思ってあげてください。出来るだけ早く受診を!

猫ちゃんに見られやすいトラブル

犬歯が伸びてきている?
歯周病が進行して、本来収まっている場所から歯がすべり出してくる「てい出」と言われる状態です。犬歯は大きく立派なので、すぐには抜けず「伸びてきた」と表現されることが多いです。ただ歯が滑り出てくるだけではなく、下の唇に刺さって潰瘍を作ったり、下の犬歯とぶつかることで口が物理的に閉まらなくなったりします。仮に口が閉まっても、歯同士が当たっていると慢性的な痛みを生じます。この状態は歯周病が原因なので、治療のためには抜歯が必要になります。歯周病が重度になるにつれて、てい出がおこるため、早期発見治療が大切な犬歯を守ることにもなります。

歯がなくなった?
歯の表面が溶け、歯茎から上の歯が無くなる病気があります。「吸収性病巣」と呼ばれます。この病気はなぜおこるか明確になっていませんが、病原菌の関与はなく、破骨細胞が歯を溶かすとされています。猫ちゃんが4-6歳になってくるとこの病気が増え始め、10歳以上は69%が罹患していると言われています。最終的に歯茎から上の白い歯は無くなり、歯茎で覆われます。歯茎の下にある歯の根元は、下顎の骨と同化して分からなくなってしまいます。多くの猫ちゃんが罹る病気ですが、吸収されている途中の段階で痛みを生じなければ、治療する必要はありません。

     

左:吸収されているところに歯石が付着し、歯茎も落ちている。吸収性病巣+歯周病の状態。
右:同部位のレントゲン写真。歯が薄くなっている(黒く抜けている)歯茎が落ちているところの歯槽骨(下顎の骨)も溶けている。

歯がなくなった?②
吸収性病巣では、歯の白い部分が溶けて無くなりますが、折れて無くなることもあります。「破折」と呼ばれます。ワンちゃんも破折をおこすことがあり、歯で噛み切れない硬いものを食べたとき、無理がかかって折れてしまいます。猫ちゃんもこのパターンで折れることもありますが、この他に交通事故、落下事故、猫同士の喧嘩、障害物への衝突で破折がおこります。破折すると、歯髄といわれる歯の神経・血管が露出するため、ここに歯周病菌の感染がおこります。歯周病菌は歯髄腔(歯の中)を通って、歯の根元に達し、ここで骨を溶かします。このため、破折した歯のうち、歯髄が出ている歯は処置が必要です。抜歯または歯内治療になります。歯髄が出ていない場合、経過を見ることもありますが、歯髄に連絡している小さな管である象牙細管が露出しているため、将来的に感染がおこる可能性があります。

 

左:下の切歯が4本なくなっている  右:レントゲン上では歯の根元が残っているのが分かる

鼻血が出る・顎の下が腫れている
一部の品種には、正常でも鼻血が出やすい猫ちゃんもいるようですが、基本的に鼻血は病気のサインです。歯周病が進行して起こることもあれば、鼻の腫瘍や吸入した異物が原因でおこることもあります。顎の下の腫れは膿瘍や、舌下の腫瘍で生じることがあるため、変だと思ったらすぐに診察を受けましょう。

若いのに口が痛い?
外からきた猫ちゃんなら、ウイルスが原因の口内炎がおこることもあります。小さいころに保護された猫ちゃんでも、母猫から胎盤を通じて感染し、成長してストレスをきっかけに発症することがあります。保護直後のウイルス検査が陰性であっても、実は検出されるまでに時間がかかることもあります。白血病ウイルスは1カ月、エイズウイルスは最大で2カ月かかります。場合によっては、再検査を提案することもあります。他にも、乳歯から永久歯に生え変わるタイミングで歯肉炎を生じることもあります。歯茎が赤いな、病気かな?と思ったら、受診してください。

難治性の口内炎
猫ちゃんの6-7歳に発生率が高いようですが、強い炎症がなかなか治らないケースがあります。「尾側口内炎」と言われ、内科療法では免疫抑制剤を使用しますが、基本的には抜歯が適応になります。完治が難しいこともあります。治療経過は長くない方が良いので、痛みのサインに気づいたらご相談を。

 

いくつかご紹介しましたが、不安な点は動物病院で解消するのが一番です。
何もなければそれが良いですし、何かあっても勝手に治療方針を進めるわけではありません。慎重に相談していきましょう 。ご相談・アクセスはこちらから。

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